初恋を君に
そんな、親切な上条に朝開口一番言い放ったセリフが…

「まさか『見損なった!』なんて、怒鳴られるとは思わなかったよなぁ」

「いやっ!もう本当にごめん!気が動転し過ぎて…」

上条がドア開けて挨拶してくれた後、
私は『見損なった!アンタはこんな事する人間じゃないはず!なんてことしてるの!?』と叫んだのだった。

上条は肩を揺らして笑っていた。

「ったく!早とちりしすぎだしっお前だって知ってるだろう。俺がどんな男か~」

「いやっだから本当にごめん。知ってるから余計に…」

「マジ。ウケるっ 5年以上も一緒に働いてるお前とどうこうなるとか…」

「うわぁ~分かってるから!だから本当にゴメンって」

上条達哉(かみじょうたつや)は
背が高くなかなかのイケメンで皆に優しく親切だ。
入社当時は女性社員からかなり注目されていた。
しかし…告白してくる女性達に「身体の関係だけならいい」と言い続け
今や女性社員達からは『人間としては最高、男としては最悪最低。』の有難い評価を頂いている。

彼いわく、
『恋愛は死ぬほど面倒。するくらいな死んだ方がまし。』だそうだ。

関係を持つ時は後腐れなく出来ればもう二度と会わない事。が第1条件である上条が同期の私とどうこうなると言うのは絶対に有り得ないのだ。


< 3 / 150 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop