彼女のことは俺が守る【完全版】
『篠崎海。恋人と焼肉デート。毎晩、マンションに泊まる彼女は一流企業に勤める一般人。乱れた生活が…』


 恋人ではないけど、私は焼肉を一緒に食べた。一流かどうか分からないけど、一般企業に勤めてもいる。でも、私と海斗さんの生活は傍から見れば乱れているというものなのだろうか?好きな人と一緒に居たいと思う気持ちが汚された様な気がした。それが悲しい。


「多分、ライバル会社のリークだと思います。今回の映画の仕事は海が選ばれましたが、同じように最終審査まで残った俳優もいます。かなりお金も使ったと聞いているからその報復かもしれません」


「社長はなんて?」


「社長は事実にすれば問題ないと言っていました。つまり、今すぐにでも籍を入れて結婚会見を開いた方がいいと。そして、そのことによって、海と里桜さんの関係が乱れた関係で無くお互いに思いやった結果に籍を入れたということになるでしょうと」


「それは出来ない。里桜には里桜の人生がある。今日やっと前を向いて歩くことが出来るようになったのに、俺が自分身を守るために里桜を犠牲にするわけにはいかない」


「海。これがどういうことか分かっているでしょう」


「里桜の戸籍まで汚してまで守りたい人気なんてない。それに里桜は一般人だ。芸能人の俺はどうでもいいことでも、先になって離婚したとなると後々の里桜の人生に傷がつくだろ」


「なら、どうする。今回の京都ロケもだし、東京に帰ってきても映画の撮影には力を入れていただろ。その苦労を水の泡にするつもりか?」

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