ほんとの声を聞かせて
1 春
陽葵side


「陽葵早く!先行くよ?!」


いつもと同じ朝
もうとっくに学校に行く準備のできているお姉ちゃんに急かされながらパンをコーヒーで飲み込む。


「はいはい今行くー!」


マグカップのコーヒーを飲み干して
バッグを引っ掴み、玄関へ駆ける


両親は私たちよりも一時間半近く家を出るため 誰もいないリビングを出る際に窓の戸締まりを確認しいってきまーすと呟いた。



二人で家を出てお姉ちゃんが鍵を閉めるのを待っていると、


「ぉはよー陽葵。葵衣さん。」


後ろからよく知った聞き慣れた声が聞こえて振りかえる


「おはよう斗空。珍しく寝坊しなかったね笑」


「うるせ。w」


「はいはい二人とも!遅刻するよ!」


お姉ちゃんにそう言われて腕時計に目を落とすと針は8:15を指していた



「え、もうこんな時間?!」


8:30までに校門を潜らなければ遅刻になるため3人でダッシュした
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