strange
future
「慧、ちょっとネクタイ歪んでる」

「え?直して」


背が高い慧が少しかがんでも、私の手はなかなか慧に届かない。

慧が、もっとかがむ。

こんな風に委ねられたら、可愛くて笑っちゃう。


「相変わらず仲いいね」

声の主は、

「彩菜ちゃん、晶乃ちゃん」

グリーンと、ピンクの華やかなドレスを着た2人がにっこり笑う。


「結婚して何年?」

彩菜ちゃんの質問に、

「2年だよ」

慧が答えた。


あれから、慧は退院して夏休みが明ける頃にはバスケ部に戻った。


私は短大に進学して、慧は大学へ進学。

慧の就職が決まって私達は結婚した。

16歳の慧からのプロポーズの時から6年後のことだった。

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