strange
慧が歩くと女の子達はみんな振り向いていく。

180㎝の慧はその背の高さでも人目をひく。私と同じ色素の薄い髪の毛。

並びのいい歯に、通った鼻筋。

二重の目は、小さい頃はもっと大きくてお人形みたいだったけど…

今は程よく男の子の目になった。


小さい頃は私達はよく似ていて、よく姉妹に間違えられてたんだけど。

我が弟ながらいい感じに育ったもんだ。

「…慧くん、すごいじゃん。これはモテるよ?どうする、姉」


後ろから彩菜ちゃんが面白そうに肘で私の肩を突っついてくる。


「別にぃ、どうもしないよ。家じゃ生意気だし」

口をとがらせると、遠くの慧と目が合った。


ベーっと舌を出したら、向こうも舌を出し返してきた。


「何あれ?可愛い」

周りの女の子達。

あいつは、ああ見えて腹黒ですよ?
お姉ちゃんは知ってるんです。
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