OUTLOW 〜能天気少女の裏の顔〜





要さんからの注意で


最近桜の存在が噂になってきていて

週刊誌の奴らが調べまくってるから、もし、ここに屯所があるとか知られて写真撮られたら大事だから…




ってことで、出来るだけ目立たないように


黒のコートにキャップを被って外に出る。




なんで桜の存在が噂されるかなぁ。


うー、バレたら大事だよ〜。



まぁ由良とかが頑張って揉み消してるから平気だとは思うけど…。






屯所から1時間。


電車は嫌だから、タクシーで。





なかなか閑静な所に家、あったんだなぁ。

帰るのいつ以来だろ。



1年ぐらいご無沙汰してたかも…。





す「嫌だなぁ…。」



渋っててもしょうがなし入るか!!!







す「…。」




ただいま、なんて絶対言わない。


鍵をつかって、靴はすぐ履けるように置いて


しっかりコートの下のジャッケットに拳銃も入れて。







久しぶりの家の匂い ほんと嫌いな匂いだ。



お父さんの再婚相手、麗子の好きな香水の匂い。お母さんが居た時は、ラベンダーのアロマの匂いだったのに…。


臭すぎる。




ガチャ


リビングを開けると




一斉に突き刺さる家族の視線


お父さんが呼び出したくせに。





す「なに?呼び出されたから来たの。」






「あー、すみれちゃんだぁ〜〜!」


「なんでいるのー?」




麗子の子供の


ひかると怜奈。



す「あぁ、久しぶり。元気にしてた?」



子供に罪はないもん。


一応、可愛い妹と弟だ。



「うん!」


「すみれちゃんは?」



す「うん、元気だったよ〜!大きくなったね、二人とも。」



子どもは純粋だなぁ。


本当に可愛い。



でも…



麗「こら!!あっち行ってなさい!すみれと話しちゃ駄目でしょ?」



ほら。

麗子はひかる達と私を避けさせる。



だからまともに話した事もない。




「えー!!嫌だぁ。」


す「ほら、ママの言う事聞いた方がいいよ。またあそぼうね?」




この子達は私に関わったら駄目だ。


何かに巻き込んでしまうかもしれない。





麗「はあ!?ママですって?」




ヒステリックな声を上げる麗子。


いや、べつに私がママって呼びたい訳じゃなくてですね…





す「べつにママなんて一生呼ばないんで、麗子さん。」




麗「なによ!いつもそう言って!!」




パッ


手を振り上げられる。



す「っ!」



ぱしっ



その手を掴んで防ぐ。



す「やめてくれません?」




「うえ…ママ」


「グスッ」





す「ごめんね、二人は寝ておいで?」




この2人が自分の母親が暴力振るうところなんて見たいはずないじゃん。



「うん…。」


「バイバイ、すみれちゃん!」




す「バイバイ!」



















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