この手で、あなたを
最終章

 私は閑静街を脱出し、公園を通り抜け、隣接する林の中にいた。

 鼓動は高鳴り、喉はカラカラだった。

 もう何年履いてるか分からない、ボロボロのサンダルが砂を掠める音が、夜空に響く。

 笹の葉を両手で駆け分け、パトカーのサイレンの音が聞こえなくなる場所を目指し、一目散に走っていた。

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