変わらぬ愛なんて、あり得ない!【甘い香りに誘われてⅡ】spin off

唯一無二の存在

何度も私の名を呼び、矢野さんが私を抱きしめてくれた。

矢野さんの手が、私の頬を優しく撫でる。

大好きな温かい手の心地よさを感じながら、私はまた深い眠りについた。


次に目を覚ますと、出汁のいい匂いが部屋中に充満していた。

扉の向こう側から、灯りが漏れている。


その灯りの方へ行こうと、ゆっくりと身体を起こした。

「きゃあぁぁ……!」


バタン!

「美咲!どうした!」

部屋に入ってきた矢野さんを見て、大急ぎで布団をかぶる。

「美咲?どこか痛むの?」

矢野さんの、心配する声を布団の中で聞く。

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