百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜


…雅、相変わらずツンツンだな…。


でも、わざわざ会いに来てくれたってことは心配してくれてたってことかな?


「でも、逃げろって言ってくれて嬉しかったよ。

ありがとう。」


私がそう言うと、雅は目を見開いて

少し照れたように口をぎゅっ、と閉じた。

そして、雅は、眉を寄せて私に言う。


「…詠。今度からは、無用心に家に人を
入れたりしない方がいいよ。」


……え?


私は、ふと疑問に思って尋ねる。


「どうして…?」


そう尋ねると

雅は、ふっ、と真剣な顔をして私を見つめた。


ドキッ!


無意識に胸が鳴った。


と、次の瞬間

雅は、ぱっ、と私の手を取った。

ぎゅうっ!と握られる。


!


私が驚いて見上げると

雅が妖しい笑みを浮かべながら言った。


「私が女だからって、油断した?

…これが悪い男だったら、このまま襲われるかもしれないよ?」


っ!


私は、雅の綺麗な顔が目の前に来て
心臓が鳴り止まない。


…み……雅って、こういう人だったっけ?


動揺を抑えて、私は言った。


「雅…は、男の人でしょ……?

別に、油断してるとか…そんなんじゃ…」


意識してるわけでもないけど!

すると、それを聞いた雅が、驚いたように、ぼそ、と呟いた。


「……男だって、知ってたのか……。」


え?


私が、聞き取りづらかった言葉を聞き返すと雅が、ふっ、と笑って言った。


「…そうだったね。

詠は“俺”が男だって、知ってたんだった。」


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