百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜


遊馬が、ちっ、と舌打ちをして周くんと雅に向かって叫ぶ。


「俺たちも行くぞ!

九条が紺とやり合ってる間は、俺たちがあの妖どもを引きつけるんだ!」


周くんと雅は、力強く頷いて妖たちに向かって鬼火銃を向けた。

それと同時に、芝狸は妖力を放出させて周くんたちの補助に回る。


…まさか、ここに来て狐の面を利用される
なんて……!


私は、こみ上げる不安を抑えながら周くんたちを見つめた。

やがて、妖の大群は私たちの近くまで飛んできた。

周くんたちは、そこへ果敢に突っ込んでいく。


パァン!パァン!


いくつもの銃声が響き渡った。

浄化されるにつれて、辺りに目を覆うほどのまばゆい光が溢れる。

確実に浄化されていく妖たちだが、ざっ、と数えただけでも五十はいる。


……鬼火銃を使っているみんなの体力が勝つか、妖が勝つか……

予想できないほどギリギリだ。


……みんな………

どうか、無事でいて………!


私がギュッ!と手のひらを握りしめた時。

大群の中の一匹の妖の動きがピタリ、と止まった。


……?

何があったの………?


周くんたちも、その一匹の様子に気づいたようで、ちらちらと注意を払っている。

すると、次の瞬間

その一匹の妖が、苦しみ悶え、狐の面がガタガタと震えだした。


!


私は目を見開いてその妖を見る。

その時、異変に気付いた雅が叫んだ。


「狐の面が暴走する!一旦引け!」


!

“暴走”………?!


< 452 / 512 >

この作品をシェア

pagetop