居場所をください。

貴也side




「よ、貴也。」


「誠かよ。インターホンくらい押せよ。」


「もうおせーし

おばさん寝てたら起こすと悪いじゃん。

おばさんは?」


「もう寝た。」


「ほら、押さない方がよかったろ。」


「…で、なんか用?」


「今日、美鈴ちゃん来た。

店に。


で、伝言伝えたから。」


「そ。」


「お前ほんとにいいわけ?

他の男に美鈴ちゃん取られても。」


「…よくねーけど

いつ戻れるかもわかんねーのに

縛り付けておけねーし。」


「じゃあ言うけど

今日美鈴ちゃん男と来た。」


その言葉に俺の動きが自然と止まった。


「ほら、そんな反応になんなら

繋ぎ止めときゃいいじゃん。」


「…今さらだろ。

それに、それで美鈴が離れたら

しょせんその程度だったってことだろ。」


「そうかもだけど。

あ、あと美鈴ちゃんから伝言で

隼也の彼女に会ったよ、だってさ。」


「どうでもいいわ。」


……………そういやあの観覧車

あの日にまた乗ろうと約束したもんな。


美鈴…覚えてんのかな。


他に男つくったら約束果たせねーけど

ちゃんと覚えてんのかな。



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