居場所をください。



「ってか朔也は諦めたんだろ?」


「まぁな。俺すでにフラれてるし。

しつこいのもうぜーだろ。」


諦める方向で。


「すでにじゅうぶんしつこいもんな。」


「うるせーよ。」


「ちょっと!」


「うわっ!なんだよ。」


俺と亜樹がこそこそ話してたら

美鈴がこっちに来ていた。


「うわ!じゃないよ。

ご飯いつまで炒めてるの。」


「え、あ、ごめん。」


「さてと、じゃあ亜樹も卵包んでね!」


「はいはい。」


ってことで俺はどいて

2つ並んだコンロに

亜樹と美鈴が並んで仲良く喋りながら

オムライスを作っていく。


「あ、そうだ。

二人ともそれ並べてみんなを呼んできてよ。」


「えー。」


「よろしくね?」


嫌がる俺の声を聞くと

美鈴はこちらを向いて

……………というより颯太を見て

営業スマイルで言った。


それに気がつかない颯太は

「よ、喜んでー!」

あっさり使われるのだった。


「ほら、朔也も。」


「俺にはそんな偽物

通用しねーけどな。」


「優しくない男はモテないよ。」


「……………なんだよそれ。」


まぁ美鈴は優しい男が好きそうだもんな~。



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