居場所をください。



「ふーん…。」


「ま、私も人を選ぶけどね。

めんどくさいやつはめんどくさいし

どうでもいいやつはどうでもいいし。

でも、前の私は本当につまらなかった。

傷つきたくないから感情隠して人形になって

傷付くこともなければ喜ぶこともなかった。

今思えば本当につまんなかった。

人生なんて永遠じゃないんだから

楽しんだもん勝ちでしょ。

どれだけ心から本気で笑えたか、だよ。

だからさー、亜樹も笑えばいいのに。

全然笑わないじゃん。」


「いや、お前もな。」


「私はこれでも笑うようになったの。

高校生のときとかひどかったし。

って今も高校生だけど。」


「…なにいってんの?」


「いや、呆れた顔で見ないで。」


「お前はババアか。」


「ひどいね。

…ま、亜樹もいつか人のために何かすることが

楽しくなるよ。

自分の人生に余裕ができてきたら。」


「すでに余裕だけど。」


「そういうのは余裕じゃなくて

すかすかなだけ。」


「意味不明。」


「幸せすぎておすそわけしたくなるような

そんな気持ちをいうの。

亜樹はすかすかだから余裕じゃない。」


「ふーん。

やっぱ意味不明。」


「理解しようとしなさい。」


「ま、俺帰るわ。」


「帰れ帰れバーカ。」


「お前もじゅうぶんひでーな。」


「バイバーイ。」



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