居場所をください。



「……………別にお前とのキスのことなんて

聞いてねーけど。」


「あ、嫉妬ですか、お兄さん。」


「は?なんで俺が。」


「可愛い可愛い妹が他の男にとられて。」


「……………どうでもいいわ。」


「ひどい。」


「美鈴こそ、俺に彼女できたら

嫉妬するんじゃねーの?」


「大丈夫、彼女できないから。」


「腹立つやつ。」


まぁでも確かにやだな。

長曽我部さんはずっと仕事一筋でいてほしい。


……………いや、彼女できたとしても

この人は仕事人間だよね、絶対。


それはそれでちょっと心配かもしれない。


「やっぱり彼女は必要だよ。」


「何いってんの?」


「え?」


「そんなことより」


そんなことよりって……


「これ。」


「あぁ、週刊紙ね。忘れてた。」


「うちの事務所は特にコメント

出さないことにした。」


「ふーん。

長曽我部さんが決めたならいいんじゃない?」


「だから、余計に美鈴のとこに集まりやすいってこと。」


「あぁ、そういうことか。

そんなの別にいいよ。

私もなんにも喋んないし。

長曽我部さん、いてくれるでしょ?」


「まぁな。」


「なら大丈夫だよ。」


「まぁ美鈴ならそういうと思ったよ。」


「それよりほっといていいの?」


これで貴也の好感度は一気に下がった。

私のブログのコメントにもツイ○ターにも

たくさん意見が来ている。


浮気してるのにいいんですか、って。



それに対して私が何も言わないから

どんどん増えるばかりだ。


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