居場所をください。



「ほらよ、できた。」


「わーい、キムチ!

いただきまーす!」


「辛いもん食うと疲れにくくなるんだと。」


「へー、相変わらず物知りだね。」


「いや、今日テレビでいってた。」


「なんだ。」


「あ!そうだー。忘れてた。」


「な、なに。」


私がお箸を鍋に伸ばすと

急に大きな声を出した長曽我部さん。


「会社に忘れ物してきた。

どうすっかなー。明日でいっかなー。」


「明日でいいじゃん。」


「とりあえず今は飯だな。」


「そうだよ。」


しかももう23時近いし。


「あっ…熱い。」


「当たり前だろ。」


「でも美味しい。

他のとこのより辛くない。」


「喉に刺激になるからな。」


「あぁ、なるほどね。」


風味は確かにキムチだけど

残念なくらい辛くないのだ。


でも味はキムチ鍋。

どうしたら辛くないのにキムチ感でるのだろう。

すっごい美味しい。



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