居場所をください。



「今年も去年と同じ神社へいくの?」


「そうだよ。

俺は子供の頃からずっとあそこ。」


まぁ近いしね。

今年は何をお願いしよう。


「そういえば長曽我部さん、

明けましておめでとう。」


「すっげー今さらだけどおめでとう。」


隼也にはちゃんと忘れず言おう。


「ってか明けましておめでとうって

なんで言うの?おめでとうってなにが?」


「それも知らずに言ってたのかよ。」


「大半の人は知らないと思うけど。」


「まぁ昔からの習慣で諸説あるけど

年末って忙しいだろ。

支払いだったり、掃除とか仕事の区切りとか

今はそうでもないのかもしれないけど

昔は年の瀬は大忙しだったんだ。

だから無事に年を越せますようにってことで

"良いお年を"って言葉があって、

それを踏まえて、1月1日になって

無事に年が明けて、よかったですね

って意味で"おめでとう"ってつくんだよ。

だから、年末の忙しさを乗り越えて

今年を迎えられておめでとうございます

って意味で、明けましておめでとう。

まぁあとは太陽にお礼を言うってこともあるな。

昔は電気とかなかったから毎日太陽にお礼を言ってたんだ。

今日も来てくれてありがとう、とな。

それが移行していって年始だけそういう挨拶が

残るようになったとか

まぁいろいろあるな。

美鈴も年末忙しかったろ。

レコーディングはここまで済ませたいとか。

そういうのを全部期日内にやりおえることができて

よかったね、っていう感じだな。」


「へぇ、なるほど。

相変わらず物知りだね。」


「学校で習わねーの?」


「習わないよ。」


どんな学校に通ってたんだ。



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