居場所をください。



結局俺はまたソファで寝て

起きたときには夜になっていた。


「よく寝るんだな。」


「え……長曽我部さん…

来てたんですか。」


「まーな。

って起きる気もねーのかよ。」


「今日は早いんすね。」


「早いつってももうすぐ22時だけどな。」


「仕事は?」


「今日は美鈴のレコーディングがやけに絶好調でな。

そっこう終わったわ。」


「へぇ。」


「美鈴のやつ、

指輪もネックレスもブレスレットも外してたし

ついに貴也と別れたのかなーと思って

様子見に来たってわけ。


ま、お前の指についたままってことは

俺の考えは浅はかだったってことかな。」


「さぁ。

俺にはわかんないっすけど。」


「お前と一緒に立ち止まろうとしてんじゃねーの。

仕事は先にいくけど、気持ちは一緒にってとこだな。」


「……そうですか。」


「とりあえず、これはプレゼント。」


そういって長曽我部さんは机に

白いスープボトルを置いた。


それを見て俺は思わず体を起き上がらせた。


「それは?」


「はは、お前わかりやす。

残念ながら美鈴じゃなくて俺からのスープ。」


「……………なんだよ。」


「もっと喜べよ!

俺のは美鈴のよりうまいぞ。」


そういう問題じゃねーっつーの。



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