居場所をください。



「………とにかく、朝まで帰ってこなかったら

俺んとこ連絡して。

連絡先変わってねーから。」


「あ、うん。」


「あ、あとさ

俺妹探してたじゃん。」


「あ、うん。」


「見つかったから。」


「え、ほんと!?」


「探してたわけじゃねーんだけど

本当にたまたま見つけた。」


「そう。

それで?話したの?」


「話すつもりはなくて

それでもそばにいるつもりだったんだけど

結局バレた。

でもうまくやってるよ。」


「そう、よかったね。」


「だから悪い。

今そいつのことでやらなきゃいけないことあって…

弘希と同じぐらい大事だから。悪い。」


「嘘。

本当は弘希よりも大事なんでしょ?」


「え…いや…そうじゃなくて

本当に弘希も大事なんだけど

あいつは俺がいねーとダメなんだよ。

………………たぶん。」


「たぶん?」


「……………いや、嘘。

俺が守ってやんねーと気がすまない。

あいつが俺を求めてなくても。」


「はは、そっか。」


「悪い。」


「ひかるが弘希を大事にしてるの

ちゃんとわかってるから大丈夫。

本当は離婚して他人なのに

今でも気にしてくれるくらいだもん。」


「俺の息子には変わりねーよ。」


「ありがと。

じゃあ私、もう少し家で待ってみる。

ひかるに会ったらなんか落ち着いた。

ここも……あの頃とは変わってなくて。」


「今度、ちゃんと紹介するから。

俺の妹。」


「うん、楽しみにしてる。」


「じゃあ送るわ。

……今弘希のせいで車くせーけど…」


「はは、なにそれー。」



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