居場所をください。



「でも新曲、7月9日発売だと

ライブで歌えるのはラストの東京だけですね。」


「そうだなー。

まぁそれもいいだろ。

最終日はDVDにもなるし衛星放送で流れるし。」


「あ、それよりSecret売り上げ見ました?」


「おう、見た見た。

すげー伸びるな。

俺、まさかあそこまで伸びるとは

思ってなかったわ。」


「ボーナストラック効果ですかね。」


「だろうな。

しかもこっちがなんにもしなかったのに

勝手に広まってくしな。

SNSってすげーな。」


CDが売れないこのご時世で

CD出す度に必ず40万を越えるだけでも

すげーなとは思ってきた。


だけど、今回のSecretは

桁違いに伸びた。


「俺も好きですよ、Secret。」


荷物から目を離すことなく

貴也が言った。


「なんつーか

今までの美鈴とは違って

眠ってる闘争心をくすぐられるっていうか。

すげーやる気になれるんすよね。

きっと美鈴は全然違う意味で書いたんだろうけど

Secretはすげーやる気にさせます。」



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