居場所をください。



「そういえば美鈴ちゃん」


「んー?」


後ろから私の背中をグイグイ押してるユリ姉。

この人は遠慮なしに押してくるから私も必死。


「瞬の家、完成したみたいだよ?」


「え、そうなの?

ちょい瞬~!」


「なんだよ、うるせーな。」


うるせーなって。

うるせーなって言ったよ、この人。

私に向かって。


……まぁいいや。


「家、完成したって本当ー?」


「あぁ、ってかもうとっくに引き渡されて

もう住んでるし。

で、やっと庭とか駐車場とかも完成したって感じ。」


「へぇー……

……………ねぇ、ハル。

行ってみたくないー?」


「行きたい!!」


「いや、無理。

家族いるし。」


「私に会いたいって言うかも。」


「俺の嫁は別にファンでもなんでもないし。」


「あ、今の傷ついたよ。」


「知らねーよ。」



< 2,566 / 4,523 >

この作品をシェア

pagetop