居場所をください。



「美鈴ちゃんは今日

長曽我部さんと行動だけどいい?」


「うん、もちろん。」


「貴也は俺な。」


「はいはい。」


「ねぇ、貴也と私、今日終わり近いよね?」


「あぁ、二人とも15時~16時には終わるよ。

部屋の契約に行くんでしょ?

長曽我部さんも行くってさ。」


「そっか、わかった。

ところで私はなんの打ち合わせ?」


「夏フェスの。

メンバー全員集合するから。」


「え、そうなの?

じゃあお昼もみんなで食べられる?」


「食堂でよければね。」


「やったね。

楽しみ。」


……………ずいぶんと仲良くなったな、おい。

前からこんな仲良かったっけ?

俺がいない間もこの二人は毎日一緒だったわけで……


って俺なに考えてんだか。

………いや、待てよ?

確か佐藤さんって美鈴の事狙ってなかったか?

あれはどうなったんだ?

まだ続いてんの?


かといって聞けねーし…。


「俺もお昼一緒でもいい?」


「うん、もちろん。

むしろ佐藤さんは強制でしょ。」


………飯まで一緒に食うようになったのかよ。

俺、佐藤さんと食堂で飯とか

一回もねーのに美鈴とは一緒なのかよ。


って、あーだめだ。

こんなことで嫉妬してたらこの先どうなんだよ。


考えんのやめよ。


「貴也も一緒に食べられる?」


「え、俺も?」


「会社にいるでしょ?だめ?」


「……いや、一緒に食べる。」


「そっか、よかった。」



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