居場所をください。



「………あのさ、これからも夏音が

貴也にアタックしてくると思うけど

それはちゃんと断ってよ?」


「俺どんだけ信用ねーんだよ。

友達のことはそんだけ信じられんなら

俺のこともちゃんと信じとけよ。」


「はは、それもそうだね。」


「風呂、入ってくれば?

明日早いだろ。」


「あ、うん。

そうだね。そうする。」


そういって立ち上がろうとしたけど

貴也がそうはさせてくれなくて

また、いつの間にかキスをしていた。


「美鈴も、俺から離れんなよ。」


「………ばかじゃないの?

私が離れられるわけないじゃん。

さっき言ったでしょ。

私の居場所は誰にも譲らない。」


「…そうだな。」


「じゃ、ちょっと待っててね。

今隼也テレビ出てるから見てあげなよ。」


「まじでどうでもいい情報。」


「はは、かわいそ。」


そんな話をしながら

私はリビングを出た。


………なんていうか、

貴也が彼氏でよかった。



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