居場所をください。



「美鈴ちゃーん!

支度終わったー?」


そこにノックもせずに

ハルが入ってきた。


「あ、うん。」


「美鈴ちゃんめっちゃ緊張してるでしょ!」


「もうどうしよう!

なんで長曽我部さんいないの!」


「ま、まぁまぁ……落ち着いて。」


もう緊張に耐えられなくて軽くパニック。

ハルもそんな私を見てパニック。


「ってか今回のTシャツ

めっちゃ俺好み~。」


「でも似合わないね。」


「う!そんな冷めた顔で言わないで!」


今回はロイヤルブルーに

白でツアーロゴを入れたもの。


時間がなくてあんまり代わり映えしないけど。


沖野さんは衣装替えがあるみたいだけど

時間があまりない私は

グッズのTシャツにショーパンスタイル。


今回は踊るしね、激しいやつ。


「悪いな、遅れた。」


「長曽我部さん!」


そこに長曽我部さんがきて

とりあえず抱きつく。


「どうした?」


「美鈴ちゃん、もう緊張しすぎて

ちょっとこわれてますね。」


佐藤さんが軽く笑いながらそう言った。

笑いながら。バカにしてるね、確実に。



< 3,106 / 4,523 >

この作品をシェア

pagetop