居場所をください。



「車は俺ので行くから。

隼也があとからきても6人なら乗れるしな。」


「はーい。

楽しみ~。」


「それより、雑誌のやつ見た。」


「あ、どうだった?

大丈夫?普通に全部話してたけど。」


「大丈夫だと思うけどな。

むしろ納得いく答えがあった方が

変な疑いされずにすむし、

貴也がちゃんと空気を柔らかくしたから

向こうも嫌な思いはしてないはずだしな。」


「週刊紙じゃなくて情報誌なのに

あんなん聞かれるとは思わなかったよ。」


「ファッション性の高い情報誌だから

女子高生が多く読むものだし

恋愛ネタは載せたかったんだろうな。」


「あー、なるほどね。」


そういえば前に藍子も読んでたし………


「ってか赤堀さんから聞いたって言ってたけど。」


「沙耶香はもううちのタレントじゃねーから。」


「え!?え、そうなの?」


「移籍したよ。3か月前に。」


「そうだったんだぁ…全く知らなかった。」


「一般人が言うところの

事務所と揉めた、って感じだな。

沙耶香に不服があって、それで。

更新したばっかの癖に。」


「へー。更新料もったいないね。」


「ま、あんな天狗になってるやつ

こっちとしてもいらなかったから

止めることなく手放した。

たいして仕事もないし、仕事もできないくせに

天狗になってるからな。

オーディショングランプリとったくせに

移籍するやつも珍しいけどな。」


「でも違約金とかかかるでしょ?」


「当たり前。

更新のタイミングでやめるならいいけどな。

携帯会社みたいに。

それ以外は全部違約金かかるよ。

つっても沙耶香は特に仕事もなかったし

最低限の分だけだけどな。

今美鈴が辞めるっていったら

損害賠償とかで億単位の金が動くから

美鈴もやめるときは前もって言えよ。

俺が許さねーけど。」


「辞める予定はありません。」


「ならいいんだけどな。」



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