居場所をください。



「っていうか会う気なかったっていうか

情けなさすぎて会いに行けなかっただけだしな。」


と、隼也がからかうように言った。


「いっつも美鈴の歌聴いてるし、

テレビは録画してるし雑誌も買ってるし

見てるこっちが恥ずかしかったわ。」


「少しは黙ってろ。」


照れ隠ししてるつもりだろうけど

照れ隠しとバレバレなくらい照れてる貴也を見ると

それはどうも本当なようで

やっぱり私は嬉しくなった。


「いいなー、そんな彼氏で。」


と今度は咲さんの声が。


「大丈夫、佐藤さんも

咲さんにベタ惚れなんで。」


「ちょっと美鈴ちゃん?

余計なこと言わない。」


あ、矢島くんいたんだった。


「矢島くん、今のは内緒ね」


私が笑顔でそういうと


「うん、大丈夫。」


矢島くんも笑顔で返してくれた。

かっこよすぎて

その笑顔ならずっと見てたくなるよ。


目の保養だね、完璧に。


………まぁ貴也も隼也も整ってるから

十分すぎるんだけど。



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