居場所をください。



「あの…ごめん。」


とりあえず頭を下げるところだもんね。


「謝ってるわりに、その服着てんじゃん。」


う…やっぱそうだよなぁ


「今日は雑誌の私服撮影だったから…

だからあえてこれなの。」


「ふーん。」


「………もう着ないから。

仲直りしない?」


私がそうやって控えめに聞くと

貴也は深く長い溜め息をついた。


「俺も言い過ぎたって反省してた。

ごめんな。

美鈴がいねーと…この部屋は広い。」


「………よかったー。」


「でも、頭冷やせてよかったわ。」


「ふふ、私も。

あの時は感情的になってた。

ごめんね。」


「もういいよ。」


「もう貴也とのデートの時以外は着ないから。」


「…は?」


「あれ?違う?」


「いや…いいよ。」


「ふふ、そっか。

今日高橋に聞いてやっと気づいたんだよね。」


「会ったのかよ、その服で。」


「あ。

………まぁでも高橋だし」


「もう出掛けんなよ。」


「はい、わかりました。」



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