居場所をください。

「………で、なんでそんな落ち込んでるわけ？」


「…貴也がいるから、だってさ。」


「はぁ？」


「俺はもう用なし、か。」


長曽我部さん、長曽我部さんって

少し前まで俺についてきてたのに。


「……ひかるってさ、

美鈴ちゃんのこととなると

なんでそんな落ち込むわけ？

前もあったけどさ。

いちいちひかるらしくねーんだよ。」


「うるせーよ。」


「で、なにがあったんだよ。」


「…俺さ、美鈴から外れるんだよ。

マネージャーじゃなくなるんだよ。

俺は自分の希望で美鈴のマネになったけど

美鈴から外れるタイミングで結婚決まって

弘希にさ、前と同じことを繰り返すな

って言われて、俺ポロっと

仕事も前より減るしなって言っちゃって

それが弘希から美鈴に伝わって

………美鈴からしたらさ、自分のせいで

って思ったみたいで、謝ってきたんだよ。

俺らが離婚したのだって自分のせいだと思ってるし

…だから、もう構わなくていい、だってさ。

貴也がいるから、って。」


「はぁ？

そんなの、美鈴ちゃんなりの

思いやりじゃねーかよ。」


「そこじゃねーよ。

美鈴が自分に責任感じてるとこだよ。」


「まぁ気持ちっつーのは

伝えねーと伝わんねーからな～。

ひかるには無理かもな～。

ま、美鈴ちゃんももう大人なんだし

彼氏と同棲もしてるわけだし

お前もいつまでも過保護にしてんなってことだよ。」


「………殴っていい？」


「ま、ひかるは俺のこと殴れないだろうけど。

俺は樹生とは違うんで。」


………むかつくやつ。