居場所をください。



━━で、選んだ服は


「美鈴らしくない服だな。」


「あ、貴也。」


あんまり着たことのないような

女の子らしい服だった。


「スカートなんて珍しいな。」


「ブログのコメントに来たんだよねー。

片想い中の人と二人で遊ぶことになったけど

服に困ってるって。

だから参考になればなーと。

どう?これ。貴也は嫌い?」


「……まぁ、確かにズボンよりかは

スカートの方がいいとは思うけど

トップスがぴったりすぎて

スタイルは選びそうだな。」


「それ言い出したら

なんにもできないよ。」


今日はリブ編みのピッタリした

白のニットに、赤のスカート。

ここまで赤いスカートもなかなか

着る機会がなかったからよかった。

きれいな色で気に入って買ったのにね。


「ただ男ってさ

もう少しふんわりしてるっつーか

ふわふわしてて触りたくなるような服のが

好きだと思うけど。

普段よく着てんじゃん。」


「だってあれだとバランス悪くて

ひらひらしたスカートはけないんだもん。

どうしてもパンツスタイルになるし。

今日はこのスカート気分だからいいの。」


あとはこの白のコートとロングブーツかな。

寒いし。


「そういえばどこでご飯食べるの?」


「いつものマスターんとこ。

会社に車おいとこ。

そのあとは墓にいく予定。年末だし。」


「ふーん、なるほど。」


「美鈴に余裕があるなら

今日までやってるイルミネーションでもいく?」


「あ、行きたい!!」


クリスマスどこもいけなかったしね。

久しぶりにデートらしいデートをしたいよ。



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