居場所をください。

「じゃあ俺はいくな。

ゆっくり休めよ。」


そういって長曽我部さんが立ち上がったから


「待って！」


私は長曽我部さんを引き留めた。


「…どうした？」


「あの…ごめんね、今日。

また思ってもないことが

口から出てしまいました。」


「…わかってるよ。

美鈴と何回喧嘩してきたと思ってんだよ。

ちゃんとわかってるから。」


「……長曽我部さん、

本当に私から外れたんだよね。

まだ知らないこと

たくさんあるのに……」


長曽我部さんから学びたいこと

まだたくさんあるのに…


「俺は、美鈴のマネージャーじゃなくても

ずっとあそこにいるよ。」


「……え？」


「美鈴のマネージャーじゃなくなっても

俺はＡプロのタレントの管理してる立場に

まったく変わりはない。

これから先も、何年たとうが

お前の教育係は俺だよ。

……社長が、いつまでたっても

貴也の子守役のようにな。」


……じゃあ、これからも私は

長曽我部さんを頼っていいの…？


「だから、無理に俺から

離れようとすんな。

前に言ったろ。

お前の居場所はここだって。」


「長曽我部さん…」