居場所をください。


___ということで、俺のスーツと美鈴のドレス、ついでにコサージュやアクセサリー、バッグなんかも買って

なんなら子供達の服まで買って、帰宅した。
もちろん途中、子供達を保育園にも迎えにいったからまぁそれはそれは大荷物で……


「お手伝いしますよ」


コンシェルジュの存在のでかさを知る。


エレベーターの中も子供達がわいわいガヤガヤ、めちゃくちゃうるさくて、そうこうしてるうちにもう部屋。
久々に疲れた……


でもそれからもご飯だったり風呂だったり、子供達が寝るまでは本当に嵐のような時間が過ぎていく。
俺は撮影で家にいないことが多いから…いつもこれを美鈴に押し付けてるかと思うと本当に申し訳なくなる。


ご飯も食べて風呂も入って歯磨きもトイレも明日の準備も済ませて、子供達はやっと夢の中…

美鈴も明日のご飯の下ごしらえをして、やっと座ることができた。


「今日もお疲れ」

「あぁ、うん。貴也もね」

「俺ちょいアンケートたまってるから仕事してもいい?」

「全然いいよー。私もブログ書いたら歌詞考えなきゃだし」


ってことで、俺がコーヒーを美鈴の分も入れ、この家は静まり返った。
美鈴の打ち込むキーボードの音だけが響く。

……最近は隠し撮りというものはしなくなって、代わりに勝手に写真を撮るスタイルというものに変化した。
まぁ、完成形はどちらも変わらず、この気の抜いた俺の写真を撮るだけ。

まぁそれもあとで美鈴のブログを見れば、どんな写真かわかるんだけど。


俺なんか見て、美鈴のファンは喜ぶんだか…
お前のファンなんだから自分の写真をもっと載れりゃいいのに。



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