居場所をください。

貴也side




「なぁ、貴也。」


「はい。」


美鈴がマンションに入ると車を動かし

長曽我部さんが話し始めた。


「美鈴に告んねーの?」


「急ですね。

しかも長曽我部さんから言われるとは思いませんでしたよ。

俺今赤堀の彼氏役なのに。」


「事実じゃねーしな。

どうすんのかなーと思って。

あいつの兄貴として。」


「美鈴のマネージャーに聞きますけど

俺は告っていいんですか?」


「……………完璧に隠せる自信があるならな。」


「え、まじすか?いいんですか?」


「社長もな、美鈴には甘いんだよ。

まぁ実力あるしな。貴也も。


だからいいんじゃねーの。

ただ今は映画があるから

絶対バレないようにだけど。」


「逆にバレにくくないですか?

表向き赤堀の彼氏役やっとけば

俺が美鈴好きなんて。」


「ま、そうかもな。

とりあえず20日に美鈴と隼也

キスシーンあるから。」


「……………またですか。」


「ま、一応教えとく。」


「……………俺ここで降ります。

今日はありがとうございました。」


「おう。」


俺は車を降りてマンションへ向かった。



< 496 / 4,523 >

この作品をシェア

pagetop