居場所をください。

美鈴side




「美鈴。」


「あ、隼也…ごめんね、呼び出して。」


「いいよ。移動する?」


「あ、うん。」


どこ行くかわからないけど

私はとりあえず隼也について行った。


「え、会議室?」


「近い方がいいだろ。」


「そっか。

あの……………」


「返事?」


「あ、うん……。」


ふぅー、断るのも緊張する。

朔也の時はさっぱりしてたのにな。


「あの……

ごめんなさい。」


私は目を合わせられず

断った。


「そっかー。

俺じゃないってことは貴也かー。」


「え?」


「好きな人。

ほかにいないじゃん。」


「………うん。」


「貴也には言わないの?」


「……………言えない。」


「ま、俺は応援しないけどね。」


「……………友達じゃん。」


「俺は友達なんてやだけど。

……………って未練たらしいか。」


「ごめんね。ありがと。」


「俺が良くなったらいつでも言って。」


「……………「反応困るか。」


「……ごめんね。」


「もう謝んなよ。俺も勝手にキスしたし。

また俺と仲良くしてくれる?」


「え、じゃなきゃやだよ。」


「ならよかった。

じゃあまた前みたいに話してよ。

そんな気使わなくていいし。」


「うん、わかった。」


「まだ気使ってる。」


「……………明日から。」


「しかたねーなー。

今日はまだ仕事?」


「うん。」


「そっか、じゃあまた飯いこうな。」


「うん。」


「じゃあ俺いくわ。

また来週、撮影頑張ろうな。」


「うん。

またよろしくお願いします!」


「おう。じゃーな。」


「バイバイ。」


そして隼也は先に出ていった。


とりあえず……………これでよかったよね?



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