居場所をください。



それからしばらくして

佐藤さんが迎えにきた。


「お願いしまーす。」


佐藤さんの車はまだ慣れないや。


「じゃ、今日はラジオからね~。」


佐藤さんはそういって車を出した。


「ねぇ、美鈴ちゃんて社長の子供なの?」


佐藤さんが聞いてきた。


「うん。もう今さらだから言うけど

内緒でお願いします。」


「へー、だから長曽我部さん

美鈴のことあんなに大事にしてんのか。」


「……………そうかもね。」


「しかも他の誰よりも厳しくしてるしな。

美鈴に対して。」


「贔屓してるって思ってる?」


「いや。

俺も美鈴ちゃんの実力わかってるし

俺がいってるのはプライベートの話。」


そっか、ならよかった。


自然に笑みがこぼれてしまった。


「で、貴也のこと好きなんだ?」


「え!なんでそれ!」


「はは、やっぱそうなんだ。

ま、いい男だよな、あんなんでも。」


「あんなんでもって。」


笑ってしまった。


「ま、美鈴ちゃんのおかげか

最近あいつ仕事すげー順調だし。」


「私のおかげ?」


「おう。

だから貴也頼むな~。」


……………って言われてもねぇ…。



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