ヒミツの関係
 「…もうこの話は終わりだから…」

 「何で!?
 あたしの質問に答えてよ!!」

 
 あたしは立って霞に駆け寄った。

 
 「ねえ、ちゃんと目を見て言ってよ!」

 
 腕を引っ張ろうとすると、霞がよけた。

 
 「………ねぇ…あたしに触って欲しくない?
 目も合わせたくない?
 そのくらい嫌い?
 あたしの事、見たくもないくらい嫌い?」

 「………ああ。」

 
 霞の小さい呟きが、頭の中で木霊した。


 「…そ、っか…
 じゃあ…終わりだね…あたし達…」

 「………」

 「バイバイ。」


 霞が、ゆっくりと歩き出した。
 
 最後まであたしを見ず、顔も見せずに…

 
 あたしは霞を見えなくなるまで見送った。

 霞が見えなくなっても、地面に座り込んで、ずっとそこを見ていた。

 
 「バイバイ…霞…」

 
 
 これで最後だから…



 「ホントに好きだったよ…」

 
 あたしの小さな呟きは、吹いてきた爽やかな風に埋もれていった。




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