未来が見えない『Previously invisible』

樹は、中々、海外だけに
絞れなくて、勢力的に
日本と海外と仕事を
こなした。

そんな月日も10年が過ぎた
ある日、蓮さんが家にやってきた。

「樹、琴音ちゃん、
アイツが、今日出所した。
樹も琴音ちゃんも
奴の顔を知らないけど
しばらくは、身のまわりに気を付けて
ほしい。
まずは、問題ないと
思うがな。」
と、言った。

樹は、
「早いな。」
と、言うと
「真面目に過ごしたようだ。
やつを支えた、女の所に
身を寄せるみたいだ。」

俺は、
「琴音、また、しばらくは
一人では、出歩くなよ。」
と、言うと

琴音は、
「うん、わかった。
蓮さん、わざわざありがとうございます。」
と、言った。

月紫は、もう14歳で中学二年と
なっていたが
月紫にも、話しておく
大雅は、10歳で小学四年生
三番目に出来た
弦は、五歳になっていた。

樹は、実家と匠君にも
連絡した。
匠君は、渡瀬病院を継いでくれた。
姓も、五十嵐から渡瀬に替えた。
匠も渡瀬病院の看護師さんと
五年前に結婚した。
渡瀬の父からのお勧めで。

琴音は、あのまま
記憶が、戻ることなく
今まできていた。
だから、犯人を全く
知らない状態だ。

由依ちゃんは、あれから、
男の子と女の子の
双子を生んで
琴音も子育てを手伝っていた。

凪ちゃんは、あの妊娠で
女の子を出産したが
産後の状態が、悪くて
もう、子供は望めないみたいだ
だが、蓮は、
そんなことを気にすることなく
凪ちゃんを
とても、愛して大切にしていた。