わたしは元婚約者の弟に恋をしました
 親に彼と付き合っていることを言って。反対されたら今度は大丈夫だと説得して。仁美や舞香にも伝えて。

 これからわたしがしなければいけないことをいろいろ考えるが、それ以上に不思議な感情が心の中を満たしていって、いっきに押し流していった。

 わたしの視界が霞んでいく。

「ほのかさん? 嫌なら別に」

「嫌じゃない。嬉し涙。ありがとう」

 彼はその過去を一緒に抱えてくれていこうとしてくれるのだろうか。その時間が命ある限り続くかは分からない。

「よかった」

 聖が手を差し出した。

 わたしがその手に触れると、彼はわたしの手を握りしめてくれた。

 彼は元婚約者の弟でわたしはそれに気付きながらも、彼と付き合い始めた。

 わたしたちはいろいろあったし、これからも何かあるかもしれない。彼がそばで笑ってくれているのなら、わたしもその彼の心に報いれるように生きていこうと心に誓った。


                          終
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