゚+いじめっ子彼氏といじめられっ子彼女+゚



結局、ゴリラ達は尻尾(あるのかな?)を撒いて逃げ出した。



星野先輩は中島先輩とまだ取っ組み合っていたけど、中島先輩がゴリラ達が逃げたと知ってカックンと膝をついた。



みんなが「未亜っ!!!!」と叫んであたしの方に駆け寄って来る。


「大丈夫か?!」


薫が手を引いて立たせてくれる。



「未亜チャン…ごめんねっ!!大丈夫だった?」


星野先輩が逃げ惑って乱れた髪や服を直してくれた。


「大丈夫!!ありがとう!!」


みんなに向かってニッコリした。


悠を見ると、視線を落としたままみんなより後ろに立っている。


あたしの視線に気付いた星野先輩が、悠の後ろに回って悠を突き飛ばした。


「ほら、悠っ!!!!」


突き飛ばされた悠はあたしの真ん前に来た。


「あ…えと……」


実際に顔を合わすと言葉が出ない。



「あ…ありがとね?」


「…おう。」


沈黙が続く。


「あたし達、帰ってるね!!」


由香が気を利かせてみんなを連れ出してくれた。


「…前もココで同じように助けてくれたよね。」

「…あぁ。」


悠を見上げてみる。


頬に少しすり傷がある。


ポケットからハンカチを出して悠の頬に当てる。


「…ッ!!」


痛そうに顔をゆがめる悠。


「あ…ゴメン!!」


慌てて手を引っ込めようとすると手首を掴まれた。


「っっ?!悠?!」



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