君色の音と私の恋



まるで愛の告白みたい。



初めて聞く間瀬君の胸の鼓動は、力強くドクドクと脈打っていた。



抱きしめる腕の力が緩んで、互いの体が離れてく。



間瀬君は、痛みを堪えるみたいな顔で言った。



「だって俺たち、友達だろ?」



間瀬君が口にした『友達』って単語に胸が痛む。



間違いじゃない。私たちは付き合ってるわけじゃない。ただの友達。



けど、その一言で片づけて欲しくないよ。



泣きたくなんかないのに、目が潤んで、今にも泣きだしてしまいそう。



間瀬君は、そんな私を振り切るように教室を出た。



こんな時すら、太陽の光に反射して金髪みたいに光る間瀬君の髪に見惚れてしまう。



間瀬君、本当は私……。



一番伝えたい言葉を、心の奥の引き出しに仕舞う。



これから夢に向かって駆け上って行く間瀬君の、足かせにはなりたくない。



今の彼に必要なのは、恋じゃない。



それが分かるから。



間瀬君がくれたヘッドホンを握りしめて、溢れ出る涙を拭った。




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