はじめっからシングルマザー。
6章、誰の?

彼とセックスしてから1周間が経とうとしていた、今だ告白の答えが出せないでいるが
ラインだけは毎日続いていた、
もう何年も彼氏ができないで悩んでいたのに何故彼と付き合わないか、いや付き合えないか?


そう松田と彼とセックスしてからまだ生理が来ていない、
遅れるのはしょっちゅうだが、こんな遅れるのは初めてで怖い、
一応妊娠検査薬は買ってきているものの、よく勝手に掃除する母に見つからないように机の一番奥に直している
夜寝る前になると取り出しては使おうと迷い、眺めるだけで終わる

もし彼ではなく松田の子供だったらどうする、
彼にだまって、こないだのHで出来たから結婚するとか?
そんな最低なことはしたくない、でもせっかく
こんな36歳のババアに告白してくれる人なんてそうそういる訳ではない、

念願の妊娠かもしれないことが、仇になるなんて
こんな辺鄙な計画をした私にバチが当たったのか・・・
どうすれば、
妊娠していてほしいのに
妊娠してなくて彼と付き合いたい、その後に妊娠出来たらどれほどよかったか、
それほどに彼を好きになりかけていた

妊娠してないとしたら堂々と彼と付き合い、セックスして妊娠したい、もし別れることになっても
彼の子を産めるなら後悔しないと思う
でももし妊娠してたら、念願の子供は産めるが、
誰の子かも分からない私にはどうすることも出来ない、
彼びは遊びだったんで連絡しないで下さいとでもいい、
子供育てるのに会社は辞めれないからずっと松田には自分の子を1人で育てていると
思われ続ける、もしあなたの子じゃないと説明しても
あまりに嘘くさくて信じてくれない、
どうしてあのとき松田としてしまったんだろう、と後悔しない日はなかった
いいことと悪いことは一緒にくると本でみたがまさか自分に・・・


松田と彼とののセックスから3週間が経ったそろそろ検査しないとマズイ、
休みで家に誰もいないとわかっている日に恐る恐るトイレの中で
検査薬を取り出し、トイレで検査してみる、
実際、陽性、陰性の、丸印のところを見れないでいた

高校受験の合格発表の10倍くらい緊張している、

意を決して、見てみる、
何度も何度も何度見ても陽性、
箱も穴が空くほど確かめたが陽性だった

そう妊娠していた、1日家で考えていたが

彼のことは諦めることに決めた、堕ろすなんてしたくない
でもこのまま彼と付き合うなんて許されない、
どっちの子かは分からないが、生まれてから
気が向いたら、遺伝子検査でもしようと思う、彼の子だったとしたら
あなたの子供と伝えたいが、純粋な人だからもしかしたら結婚しようと
いってくれるかも、なんて妄想しながら生活していくことに決めた
そしてラインでさよならを彼に伝えた、死ぬほど悔しかったが、

ただそれから少しだけ嬉しいことが、産婦人科にいって確実に妊娠がわかって
まだ影にしか見えない自分の子どもの写真をみると
毎日の生活が変わった、
そう自分の体を大事にするようになった
生きること全てに子供のためにと思うようになった
食事も睡眠も生活全てが愛おしくなり
聞く音楽や、見るもの、
性格も穏やかになった、自分のためだけど子供のために自分を愛することができるのは
女性だけがもっている感覚なのかもしれない、母性?といったらいいのか分からないが、
人生の色が変わった、よりよい方に。


母に妊娠のことを先に話し、父親がいないと伝えたら最初は泣いていたが、
途中からは私がおばあちゃんになるのかーと少し嬉しそうにしていたのでよかった
流石私に似てて切り替えが早い(笑)その夜に父にも母から話したみたいで
次の日の朝に呼ばれた、最初は落ち込んでるふうに見えたが
これからのことの話しをしていると、俺が面倒見るから大丈夫などと言って
笑ってた、本当にお父さんお母さんの子供でよかったと泣けてきたら
二人してあんまり泣いたら子供に悪いと言うもんだから、
『嬉し泣きは子供にもいいはず』と笑った、
これからは子供と自分のために生きようと決めた。

最初からジングルマザーだ(笑)







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