はじめっからシングルマザー。
3章、狩人、

とりあえず、最初は一人で飲みにいくことに、
9月末の土曜日の夜に決めた、今月の頭くらいから、夜ご飯を軽めにとり
2キロくらいは落とした、おまけにパックも毎日して、お肌の手入れもかなり
頑張った、無駄な努力と言われようと、少しでも確率をあげたいし、
36なんだから、少しでも若くみられるようにしとかないと、
一人飲みの場所も必死に探した、食べログなんか毎日見ながら
男性のお一人様も多いと噂の炉端焼きとワインのお店、
とうとうその日がやってきた、土曜日は隔週で仕事でこの日も仕事、
一日中夜のことばかり考えて、一日すぐに終わった気がした
仕事が終わるとすぐに家に帰り、入念にお風呂に入る、半身浴も忘れずに
化粧水や乳液も念入りに化粧してたら、母がいつもと違う私に気づいたか、
今日はお出かけ?と聞いてきたが、友達と飲みにいくとだけ伝えた
美容師の吉岡さんから聞いたとおりに髪はストレートの上品な感じにセットした
高校生ぶりのストレートアイロンには手こずったが、
香水を軽く脚に、香水は脚にふったほうがいいと誰か女優さんがが言ってたから真似してみた
帰りはどうなるかわからないけど、田舎だから車でお店まで行き、帰りは代行で帰るか
そのままホテルに・・・なんて考えていたらもう8時をすぎていたので
家を出た、
もう考えるのはやめよう、ナンパなんてされるかわからないし
飲んでてだれもにも声かけれなくて一人飲みになる可能性もある
そのときはそのときだ、行動しないより少しはマシだろう。
8時半今日は土曜日なんでいつもより飲み屋街は賑やかだった、
日がいいのか、結婚式の帰りなんだろうスーツやドレス姿の引き出物の袋を
持っている人がたくさんいた、車を止め歩いて目的地に行く途中、
もし、知り合いがいて一人で飲んでるところを見られたら恥ずかしい、
やばい、そのことを考えていなかった
目的地のバーを通り越してしまった、200メートルくらい歩いたけど
もうあとには引けない、Uターンしてバーに戻る、
入り口の10メートル前に差し掛かるとき、バーからお客さんが出てくる
また通りすぎてしまう、今日はこのまま帰ろうかとさえ思ったけど
それこそ母になんていえばいいのかわからない、
勇気を振り絞り、またUターンしてお店に・・・
カラン、
『いらっしゃいませー』
『こんばんわ、一人ですけどいいですか?』
『もちろん、カウンターしかないですが、お好きなところにどうぞ』
L字のカウンターのみ10席くらいで炉端焼きとワインが飲めるお店、
店員さんの女の子も若くて愛想がいい、よかった
まだお客さんは私以外でカップル一組と少し年上の男性二人組のみ、
おい、お一人様が多いんじゃないのかと、思ったがまだ時間も時間だし
とりあえず飲むことに、
『すいません、このオススメのスパークリングワインとピクルス盛り合わせ下さい』
『了解しましたーちょっとお待ち下さい』
この店員さんの軽い感じも今日の私にはちょうどよかった
『お待たせしましたー店長オススメのスパークリングとピクルス盛り合わせです』
軽く会釈してつまんでみると、予想外にピクルスがおいしくて
『おいしい。』と言ってしまった、
『よかったです、店長が漬けてるんで手作りですー』
『そうなんですね、ほんとに美味しい』
と飲んでいると裏から店長と思われる40代のひとが
『いらっしゃいませ』
『店長お客様がピクルスを絶賛せれてますよー』
『そうなんですか、ピクルス作り初めてもう80年くらいですからねー』
中肉中背の黒縁メガネかけた男性でみるからに美味しいものとお酒すきそうな風貌だ
料理も上手そうだ
80年のところで笑ってしまったがこの雰囲気いいなと思いながらゆっくりと飲んでいく
2杯めは白を注文して、おつまみにアヒージョを注文した、
『はい、白とアヒージョです』
すごいいい香りで一口食べて気づく、、、、
ニンニクが結構キツイ、そう当たり前だがアヒージョにはニンニクが入っている、
いつもの飲み会と勘違いしてたが、今日はナンパするかされるかの大事な
夜、ニンニクなんて食べてる暇はない、しかし残すと店員さんに気まずい、
さっきはあんなに美味しいと言いながら食べてたのに残すと口に合わないと思われてしまう
よし4割くらい食べて、残りは残す作戦に、
そこで店長が話しかけてきた、
『今日はお一人ですか?』
『そうなんです、たまに一人で飲み歩くのが好きで』おい店長、その質問はするな、
本当は1人でなんて飲むの初めてに近いよw
『いいですねーここは夜遅くなるとお一人様が多くなるんです』
『そうなんですねー今は私一人なんで緊張してました(笑)』
『おかわりのときはすぐに言って下さいねー』
『はーい』
よしそうかもう少し待てばお一人様の男性もくるかもしれない、
少し飲むペースを落とした、

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