はじめっからシングルマザー。
考え過ぎて疲れてたのか、朝まで起きなかった、
軽い二日酔いとともに朝起きると、
電話の所に、手紙と一万円が置かれていた
『昨日は楽しかった、よかったら電話して080・・・・・・・・』
普通なら怒るような内容だが、一度きりの私にはこれが嬉しかった、
もちろん手紙は捨てて、シャワーを浴び
少し冷静になって考えてみた
そうだ昨日のコンドームはどっちをつかったんだろう?
恐る恐る見てみると、
私の持ってきてたコンドームが減っていた、
しかしただ安全ピンで穴を開けたくらいで妊娠するなんてマンガの世界くらいだろう、
しかも今思えば自分の持ってきたコンドームとホテルのそれが違う柄
その不自然さを思い少し笑えてきた、
タクシーで車のところまで行き、その日はすぐに家に帰る
久しぶりの朝帰りに誰とも会いたくなかったが
父も母も家にはいなく、ホッとして遅めの朝食にトーストを一枚食べてまた
眠りについた・・・・ただ忘れたかった

あれから1周間くらいは経っただろうか、
妊娠でもしてくれてたらなーくらいの感覚で待っていたら、
あっさり生理が来た、
そう、あんなただ一度のセックスでただただアナを安全ピンなんかで
穴開けただけのもので、妊娠なんかするわけがない
このまま何人として、何回すれば妊娠なんてすることができるだろうか・・・
それでも今私がしていることはただの性に飢えた36歳のババアじゃないのか?
そんなことばかり考えていた、今の感情を言葉に出来ない国語力のなさ
自己嫌悪自己否定なんかの類で間違いないと思う
それでも寝れば明日は来る・・・

何日か過ぎて普通の生活に慣れた頃、そういえばもうすぐ会社の飲み会の日、
年に2度くらいいしかないが、この日が憂鬱で
私の会社は生命保険の代理店、約20名くらいの男女が働いている
田舎の保険会社の人間は基本、
すごい稼いでいる上司がチラホラで
何十年も働いてそうなババアが数人、若くてソコソコ綺麗な子が数人、
バツイチで生活に困っている子が紹介紹介で数人、
そのへんが辞めて入っての繰り返しで、私なんか若い頃は少しだけチヤホヤされただけで
今はもうただのお局の一歩手前?もう36歳だからババアかな(笑)
でもなんで憂鬱か?そう
20代最後の歳、彼氏の浮気で別れたあとちょうど会社の飲み会で
上司の松田智に抱かれたあの日からずっと憂鬱、
会社の飲み会が嫌になった

松田は顔はBzの稲葉さんに少し似た既婚者で子供が1人?
ヘビースモーカーで口が上手だから女性陣には人気で
成績は優秀、でも色は黒く歯は白い昔ヤンチャ?ぽい感じで
遊び人にしか見えないし、実際新入社員の綺麗な子が何人か抱かれた噂は聞いたことある
でもあの29の時の私は彼氏の浮気に我慢できずにただ悔しさのためだけに
松田に抱かれた
一次会のあと、いつもはすぐ帰るのにその日は二次会のカラオケに行きたくなり
少し飲み過ぎてカラオケを歌っていると、涙が溢れそうだったからトイレに
逃げて、そしたらトイレの前で松田が立っていた、
『大丈夫?』ハンカチを渡された
『大丈夫です、少し飲み過ぎて・・』
『嘘、泣いてたでしょ?』
隠したつもりが、見ぬかれてたのも悔しくて、
『泣いてません。。。』と少し強めの声がでてしまった
『話そうか、バーでもいく?』
と聞かれ、軽く頷いてそのまま上司たちに帰ると伝え
イソイソと松田と飲みに行き、彼氏のことをガンガン飲みながら話をすると
松田はほとんど話さずに聞いてくれて、そのままホテルで・・・・・
後悔は全くしてないが、それから年2回の飲み会があるたびに隙を見つけて
誘いにくる、勿論それ以来体の関係はない

今年は会社の業績が良いのか?一次会は繁華街で2.3番目くらいにお高いお寿司屋さんで
軽くビールと日本酒を飲んでいるとふと思った
そうか、松田の誘いに乗ったら簡単にセックスは出来る
でも、もし妊娠したとして、見知らぬ他人ならバレないが、松田としたあとに妊娠したら
バレバレだし、明らかに面倒くさいのは分かりきっている、
私の中では妊娠したら、会社には妊娠して彼氏に逃げられたけど
子供は生むし、産休とって復帰するつもりだったのでそれも通用しないし、
もし松田のことを気にしなくても、あいつに自分のことよっぽど好きと思われるのも癪だ、
と考えていたら、会も最後に近づくといつものように隣に来た
『飲んでる?』
『ぼちぼちです、松田さんは?』
『最近弱くなってきてさ、もうジジイだからねw』
そうか10年上のはずだからもう46歳か
『そうですねwジジイですね』
『うるさい(笑)このあと飲み行く?』
『いやー多分帰ると思います』
いつもは帰るというが今日はなぜか多分と言ってしまい、
押しに負けて1軒だけのみに行くことに、
『どこいこうか?』
『お酒が飲めるならどこでもいいです』とだけ答え
繁華街を歩いていると、この前の美容師と行ったワインバルの近くで
『あそこいい感じじゃない?』と松田が
絶対嫌だ、この前のチャラい美容師がいたらどうするんだと思いながら
『この前あそこ行ったんで別の所がいいです』とだけ伝え
少し歩いて別の店に入る、
繁華街から一歩入ったビルの3階のイタリアン、前に一度来たことあるから覚えてた、
カウンターの端に座り、知り合いがいないのを確認した今日は暇そうでよかった
店員さんに赤ワインを2杯とアヒージョだけ注文して
『最近どう?彼氏できた?』
酔っているとは思うがこういうデリカシーない男は嫌だ
『いえいませんよ(笑)松田さん最近愛人は?』
『今いないよw最近モテなくて』
『隠さないんだw』なんてくだらない話をしながら酔にまかせどんどん下ネタに
松田は最近嫁とは1年くらいセックスしてないとか、
『最近優子ちゃん雰囲気変わったね、恋してるの?』
『いやー最近恋活頑張ろうと思ってるんですよー』
『だからか、ここ1ヶ月くらいなんか色気があるよ』するどい、例の作戦を考えてた頃だw
『またまたーwww』
『でもまだ見つかってないの?』
『はい、歳も歳ですしねー』
『俺はいつでも空いてるからいつでも誘って』
ただのセックス相手にはいいだろうが、松田はダメだと心に決め
でもぶっちゃけトークが出来る松田といると
安心してるのか、落ち着くのか、トイレから帰ると目の前がフラフラしてた
だいぶ酔っていた
もう3杯目の赤ワインがなくなりそうだ、1軒目で日本酒飲んで
ワイン3杯はもうすぐヤバイ、危険なところまで来てしまった
『そろそろ帰りましょうか』というと
少し残念そうに
『わかったお会計するね』といい奢ってくれた
でるとお店との温度差でかなり寒く感じで
『寒ーー』というと松田がいきなり上着をかけてくれた
『ありがとうございます』
駐車場まで歩くことに、
今日は土曜日でどこも飲み会が多いのか、運転代行に電話するも1時間以上待ちがあるとのこと
松田は行きは嫁に送ってもらってたのでタクシーで帰るつもりだったらしいが
待つ間、車のなかで少し話すことに、もう3時回っている
しかし飲み過ぎでかかなり酔いが回ってきた、やばい暖房つけたら
もう眠ってしまいそうだ・・・
『ホテルでも泊まったら?』松田がいう、
いや本当はそうしたい、でもお前がいるから・・・・
いやそうは言ってられないこのままだと車の中で寝てしまう
それはいいが、車の中で寝たら明日体がぼろぼろになる
よし、意を決して近くのビジネスホテルに
部屋は空いていた、あとは松田を巻くだけだ
『それでは松田さん私は泊まるのでそれでは』
『いやフラフラだから部屋まで送っていくよ(笑)』
もう断るのも面倒くさい、流石にこんな酔っぱらいを襲ったりしないだろうと
部屋まで、
私はシャワーも浴びずにそのままベットに横たわり、眠りについた・・・みたいだ・・・


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