大きな背中と…
第一章


「えー、新入生の皆さん入学おめでとう。一年生は二年生へ、二年生は三年生へとなったことですが、………」

長い長い校長の話…を体育館の外で聞く。

『あー、遅刻かぁ』

と、くるっと周り来た道を帰っていく。

保健室にいこうか、それとも教室で待ってようか

そう考えて保健室に行くことにした。

ガラガラガラ

『せーんせいいる?』

帰ってこない返事にいないことがわかる。

ベッドに腰掛け、iPhoneを取り出す。

春。

長田秋乃。17歳。

今日から高校二年生になる。

一度も染めたことのない黒い長い髪に

少しつった目。

『懐かしいなぁ』

iPhoneのアルバムを見てると

自然と落ち着く。

のんびりしていると

ガラガラガラ

と、扉が開きひょこっと顔をだすとそこには

『明里ちゃん、おはよ』

明里ちゃんコト篠田明里先生。

「また、サボりかぁ?それと私のことは篠田先生と呼びなさい」

『はーい。あ、明里ちゃん』

「たっく、いったそばから…」

そう、呆れたようにいう明里ちゃんは椅子に座りながら

私に耳を傾ける。

『彼氏できたでしょ』

「……わかる?」

と、私の問いに照れ臭そうに聞いてくる明里ちゃんに

少しかわいいと思ってしまう。

『なんとなく、雰囲気?青春だね〜』

と、少し馬鹿にしたようにいうと

頬を膨らませて

「この歳で青春なんてバカにしてる?」

と、立ち上がり私の隣に腰をおろす。

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