ボーイズロード ―first season―
「誰かにプレゼント?」

やましいことしてるわけじゃないのに、急に声をかけられたもんだから、思わずビクッとしてしまった。

振り返ると、なんとそこには茜がいたんだ。制服を着ているから多分、部活帰り。


「あ、これかわいいね、買ってよ」

茜が手にしたのは、俺が選んだオレンジではなく、隣にあった緑のストラップ。こっちはクローバーのデザインだ。


オレンジの方が茜っぽいって思ったのに、俺はやっぱ茜のこと何もわかってねーんだな。


「わかった。買ってくる」

「え、うそ!?待って、冗談だよ」

茜を無視して会計を済ませた。しかも丁寧に包装までしてもらう。


「気にすんな、友情のしるしだ」

口からでまかせ。友情のしるしだなんて昭和のキザかよ。自分で言って鳥肌立つわ。

< 250 / 406 >

この作品をシェア

pagetop