ボーイズロード ―first season―
帰りのホームルームが終わると、誰にも話しかけられないうちに急いで体育館に向かう。

久々のダッシュ。部活を引退して、身体はなまってる感じがする。


……なのに、誰もいないし。どうやら早く来すぎたみたい。


うーん、あまり待ちたくはないんだよな。誰かに見つかったら理由が思いつかないし。


だめだ、今日はもう帰ろっと。引き返そうとしたそのとき、後ろから俺を呼ぶ声がする。


「あれ、若月先輩?」


……まじか。見つかってしまった。男バスの後輩たちだ。


「先輩、なんでそんな変な顔してんですか?」

「悪かったね、変な顔で。親が俺をこんな顔に作ったんだから仕方ないじゃん。遺伝子レベルで責めないでよ」


「まあ先輩の変な顔は興味ないっす。それより受験、どうでした?」

「多分受かってると思うけど……って、変な顔じゃねーし」


「はいはい、ところで俺らに用ですか?今日は部活休みですけど」

「あ、やっぱり?」


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