ボーイズロード ―first season―
急に梅木がバシッと俺の体を引っぱたいた。

「いてっ、なによ」

「なんか今、ちょっときゅんとした」

なんだよそれ。かわいいじゃねーか。


「ねえ、同じって思ってていいんだよね?」

「……なにが?」

「蒼が琢ちゃんを好きなのと同じ気持ちで、賢太くんも蒼のこと思っててくれてるんだよね」

「何度も同じことは言わねーよ」


花火が上がる。梅木が腰を下ろした。

俺も隣に座り、柄にもなく願掛けなんかしてみたんだ。

誰を選んでも、ただ梅木が幸せになれるようにと。


火薬の匂いと梅木へ伝えた俺の想い。きっと今日のことは、この先も忘れることはないだろう。

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