∞1208∞

「コウヤくん居ないとキリさん腑抜けですよね」


トモが談笑の輪を抜け出してあたしの横に腰を下ろす。
腑抜けと言われたと云うのに
あたしはへらっと笑う。


「やかましーわ」


肩がチョンッと触れ合えば
あたしはほんの少し胸が休まる。

トモはそんなあたしにいつだって優しい。
彼の柔らかい髪からパイナップルの香りがする度
その距離にまたあたしは安堵するのだ。
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