未来から
とっとと家事終わらせよーっと

試合は午後からだから、午前中は道場で稽古していこかな

そうこう考えているうちに家事を終わらせ、袴に着替えて道場へ向かった

一礼して建物の中に入っていくと、まだ誰も来ていなかった。

皐月「まだ師範もきてないか…まぁいいか。始めよ」

素振りから、基礎をひたすら繰り返す

やっているとあっという間で、時計を見るとそろそろ試合会場に向かわなければいけなかった

⁇「皐月。やっておったのか?」

振り返ると、老人が一人。

目元は優しく、しかし何処か威厳というものも感じられる

皐月「師範、おはようございます。今日は随分遅かったですね。もうお昼になりますよ?」

師範「いやぁー縁側でのんびりしとったら、うたた寝しててな」

師範はどこか抜けているところがあるんだよな

皐月「今日は兄の試合があるので、そろそろ帰ります」

師範「そうか。かまわんぞ。それより、お主は毎日来て、精が出るな。精が出ると言えば、江戸時代、わしの祖先は新撰組の沖田総司とな…」


…師範のありがたーーいお話が始まってしまった。

一度真面に聞いたことがあるけど、ちょっとながいんだよなぁ…


ここは、逃げよう。


師範「それでな、その沖田は「それでは、師範失礼します」ええっ?行ってしまうのか?皐月ーー!」

すみません、師範、今度そのお話は伺いますから

会場行く前に道場の神社に向かおう

これは、私の習慣でもある


パンパン


皐月「睦月兄ぃが試合で勝てますように

…いつも通り毎日が過ごせますように」


いつも通り。

これは大切なことだよ


⁇「いつも通りとはどういうことだ?」


皐月「いつも通りっていうのは…って、え!?」


その瞬間パァーッと光り、思わず目を閉じた


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