香りから始まる恋はいかがですか?


でも帰りの電車の中で
智史は
こっそり教えてくれたんです。

「俺な、
30歳なる直前まで
ホントいい加減だった。

仕事もそれなりに、しか
やってこなかったし、
女性ともそれなりに・・って。

でも、
あの2人の結婚式に
出席したとき、
初めて自分がしてきたことが
ものすごく恥ずかしくなった。

神父さんの前で
永遠なんて誓えない、

いままのままの俺じゃ、
きっとこんな風に
みんなから祝福されて
結婚なんて
できないって思ったら、

俺には、
何にも無いんだな・・と思って。

そういうの一切止めた。
誰に言っても
恥ずかしくないように生きて

絶対、
みんなから祝福されるような
結婚するって決めた」と

智史の意思が
こもっているように
話をされて、

「そっか・・・
でもそんな風に
智史の考えが変わったあとに
出会えたわたしは
ラッキーだったんだね!」

と笑って答えると

「いや、
ラッキーだったのは俺だな」

と言い切りました。
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