香りから始まる恋はいかがですか?
わたしの優雅な朝でございます


ただいま10時でございます。

週に1回、わたしは
こうして優雅に電車に
乗ることが出来るんです。

素敵でしょ?

週に2回はお休みで、
週に4回は、早出の日。

満員電車に
詰め込まれないのは

とても幸せですが・・

木村さんと同じ電車に
乗れないのは、
少々寂しいです。

あっ!寂しいだなんて!

そんな感情、
おかしいですよね?

昨夜は結局、
ごちそうになってしまい、
わたしの最寄り駅まで
送ってくださいました。

で・・
それから・・って?

それが、連絡先を
交換したわけでもなく、

別れ際に忘れられないような
キスを交わすわけでもなく、

健全に、
さよならしましたよ。

えっ?

このままじゃ、
恋も始まらず、

話が終わるじゃないか、
ですって?

ですよね、

だからわたしが、
ヒロインだなんて、
ちゃんちゃらおかしいんですよ。
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