香りから始まる恋はいかがですか?


電車の中では、
終始、夏に向けられる
男どもからの視線を
遮りたくて、

手を繋ぐことにした。

彼女は、黙ったまま
俺に付いてきてくれている。

あの居酒屋に着くと
夏と向かい合い、
席についた。

同じ目線でよく見ると
一段と可愛らしく見え、

思わず見入ってしまった。

するとその視線に彼女も
戸惑ったようで、

「あの・・木村さん、

そんなに見られると・・・
穴が開きそうです」と。

しかも恥ずかしそうに。

もお!!!ダメだ・・・

たまらん、困ったー!

と葛藤してると
飲み物が運ばれてきて、

少し落ち着けた。

夏は今日もウーロン茶で
乾杯をすると

俺は先手を打った。


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